2014年12月31日水曜日

"Steranko On Cards" Jim Steranko









Steranko On Cards(Jim Steranko, 1960)




読んだのは2008年版で、Terrence Franciscoという人による補遺が付いている。

Lateral PalmとAction Center Reverseで有名なSterankoの著作。本業はイラスト、コミック作家。ビジュアルなマジックの先駆け、とどこかで紹介されていたような気がするのですが、これが総じて面白くありませんでした。

古い手順にも善し悪しありまして、善しが古典(クラシック)だとすれば、これは悪し、原始的という感じ。資料的なおもしろさは、ごく一部の人にとってはあろうが、いまさらコレを読んでもちょっとなあと。

先駆的なLateral Palmの解説、AndrusのAction Reverseをさらに発展させた技法などはまずまず面白いわけですが、一方で手順がセンスの無さを露呈しており、通読がつらくなる。
現象に一貫性がなかったり、自由に選ばせた事を強調したい場面なのに、選ばれたカードをデックに逆向きで戻し、すぐにスプレッドしてひっくり返っているカードを改めて抜き出したり、ううん、ううううん。

とはいえども、Voodoo CardやBoomerangの源流、ナチュラルマーキングのカード当てなどプロットしてのバラエティはけっこうある。うーんでもなあ。

なお補遺もいまひとつ。

ううん、あんまり面白くなかったぞう。あるいはご本人はうまく語りでカバーできてたりしたのだろうか。
元々ノートの表紙だったらしい、手順のタイトル+イメージ図は素敵でしたが。